国土交通省河川局防災課のまとめ(平成13年11月30日現在)によると、平成13年の全国の発生災害は、約26,600箇所、約4,604億円の被害報告となっている。
昨年より箇所で約9,200箇所、報告額で約1,485億円増加している。主な災害別でみると、台風関係で約5,700箇所、約1,664億円、低温関係で約6,100箇所、約1,366億円、豪雨関係で約4,800箇所、約629億円、梅雨前線豪雨で約6,900箇所、586億円、地震関係で約500箇所、72億円となっている。
平成13年災害の特徴として、1月から3月上旬にかけて、北日本を中心に平均気温が平年を大きく下回ったため、低温により道路に被害が発生した。また、安芸灘を震源とした芸予地震(マグニチュード6.4)により、広島県では震度6弱を観測し、大きな被害が発生した。その他今年も全国で多くの地震が発生している。
主な被害は、以下のとおりである。
| (1)低温
1月から3月上旬にかけて、北日本を中心に平均気温が平年を大きく下回った。これらの低温により道路の路盤が凍結した結果、道路のひび割れ、不陸などの被害が発生し、交通に支障をきたすこととなった。被害は、北海道、東北、北陸、関東の1道11県で、被災が報告されている。
このような被害を災害復旧事業による対応は、昭和61年以来15年ぶりとなる。
(2)芸予地震
3月24日15時28分頃、安芸灘を震源とした地震(マグニチュード6.4)により、広島県では、震度6弱を観測し、広島県、愛媛県、山口県等で、死者2名、負傷者260名、家屋の全壊35戸、半壊183戸、一部損壊27,545戸の大きな被害が発生した。
公共土木施設については、広島、愛媛、山口等6県で、道路、港湾、河川、公園、海岸等の合計495箇所が被災した。
(3)6月から7月中旬にかけての梅雨前線豪雨
6月から7月中旬にかけて、梅雨前線の活発化により、西日本を中心とする各地で、断続的に大雨となった。これらの影響により、死者1名、行方不明1名、家屋の全半壊等21戸、床上浸水92戸、床下浸水1,433戸の被害が発生した。公共土木施設については、中国、九州地方を中心とする31府県で、6,911箇所が被災した。
(4)台風11号
8月14日に発生した台風11号は、大型で強い勢力を保ったまま21日に和歌山県南部に上陸し、東海地方、関東地方、東北地方の太平洋沿岸を北上し、北海道に再上陸した。台風の通過に伴う大雨、強風等により、各地で死者6名、負傷者32名、家屋の損壊46戸、床上浸水84戸、床下浸水634戸の被害が発生した。
(5)9月6日からの大雨(台風16号の影響分を含む)
9月6日から大雨をもたらした前線に台風16号が影響して、高知県等で災害が発生し、特に、高知県南西部で負傷者8名、家屋の損壊19戸、床上浸水568戸、床下浸水576戸が被災した。
(6)台風15号
台風15号は、太平洋岸を北上し、9月11日に関東地方に上陸した。北は北海道から西は高知県まで、1都1道1府16県に被害を及ぼした。全体で死者5名、行方不明3名、負傷者48名、家屋損壊162戸、床上浸水112戸、床下浸水726戸が被災した。 |
全建としても、被災地区の建設関係職員の労をねぎらうため、「災害見舞金」制度に基づき、公共土木施設被害額が75億円以上の場合について当該協会に見舞いを行うこととしている。 |
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