■技術資格試験合格体験記 |
メンテナンス技術の向上のために 〔取得した資格〕 コンクリート診断士 〔資格取得年度〕 平成28年度 |
橘 富和(たちばな とみかず) 岩手県 県土整備部 都市計画課 主査 |
1.受験の動機・経緯 私は岩手県職員としてのキャリアの3分の2を道路維持に携わっています。平成19年度以 降は橋梁補修・補強を担当することが多く、自ずとコンクリートの変状の把握、対策工法の検 討と施工に携わり、設計コンサルタントや施工業者とのやりとりを経て、一定のメンテナンス 技術が身についたところです。 受験のきっかけは、平成27年度の県南広域振興局土木部在籍時、同じチームに大ベテラン の技師の方(技術士やコンクリート診断士等の資格を取得しており、首都圏から定年退職直前 に期限付採用枠で岩手県職員となった)がおり、その方と技術的な意見交換を繰り返す中で自分 の技術に足りない部分に気がつき、自身のメンテナンス技術の向上のために受験することを決意しました。 2.筆記試験における留意点や学習のポイント 四肢択一問題では、市販の問題集により過去問や類似問題を繰り返し解きました。1回目は 本番同様に何の資料も見ないで問題を解き、現時点での実力を確認しました。2回目は正解や 問題集による解説を照らしながら解き、設問の意図するところを確認しました。3回目以降は 1回目と同様に問題を解き、自分の得意分野と苦手分野を明確にするとともに、出題傾向や設 問のパターンを掴むようにしました。私は得意分野をより深め、苦手分野の中でも今の業務に 関連するものを中心に勉強しました。 記述式問題では、問題集による過去問の回答例を参考に、これまで携わった現場での出来事 を踏まえて自分の言葉や文章に置き換えて整理しました。特に問題Bについては、@変状の把握、 A調査・試験、B原因の推定、C劣化の予測・評価、D補修・補強の要否の判定、E対策の実 施、F記録・維持管理の手順に分けて整理し、様々な出題に対応できるようにしました。 3.資格取得後に実務に役立ったこと 合格通知が届いた後、橋梁補修・補強設計業務の設計コンサルタントとの打合せがありました。 近年これらの設計パターンが決まっていますが、今回の試験勉強で再確認した手順や根拠により対策工法等を検討できたと思います。 なお、私は平成29年度から都市公園を担当し、道路維持とコンクリートから離れましたが、記述式問題で整理した手順は都市公園の維持修繕 でも基本的に変わらないので、自身のメンテナンス技術の向上に繋がったと感じています。 4.受験者へのアドバイス、注意点、励まし等 自分にあった勉強方法を見つけることが大切と思います。私のような方法もありますし、皆様が 学生時代に身に付けた方法もありますので、勉強時間の確保も含めて、無理なく継続できる方法を見つけていただき、 試験に向けて頑張っていただければと思います。 |