■第577回建設技術講習会(道路行政の課題、港湾・漁港行政の課題) 〜開催について


第577回建設技術講習会 現場研修事業の概要

1 金沢港大浜国際物流ターミナル整備事業
……………………………………………………………………………………………………………金沢港大浜地区
 金沢港では、大浜地区において入港船舶の大型化への対応や世界的な建設・産業機械メーカーの工場進出を契機に、4万t級の大型貨物船が接岸できる国際物流ターミナルの整備を進めている。
 この事業は、非効率な輸送を解消し、地域産業の国際競争力強化や地域振興などを図るため、国と石川県が連携し、大水深岸壁(水深13m)のほか、防波堤(西)、航路・泊地浚渫や浚渫土砂を受け入れる埋立護岸、さらに、大浜ふ頭から幹線道路に連絡する臨港道路の整備を行うものであり、平成27年の完成を目標としている。
 平成18年度より現地着手され、臨港道路が平成19年度より、岸壁(-13m)が平成20年11月に暫定水深12mとして供用を開始している。
 現在は、航路・泊地の増深及び港内静穏度を確保するため、防波堤(西)の延伸を実施している。

2 能登有料道路災害復旧事業(別所岳SA)  
……………………………………………………………………………………………七尾市中島町〜鳳珠郡穴水町
 平成19年3月25日の能登半島地震により、能登有料道路の徳田大津IC〜穴水IC間で、11ヶ所の大規模崩落が発生し、別所岳SAでは観光バス4台を含む137人が孤立するという事態が発生した。
 被災当初は、完全復旧には1年以上掛かるといわれていたが、翌4月27日には崩落箇所に迂回路を設置するなど、2車線で供用を開始した。その後、復旧工事を進め、地震発生からおよそ8ヶ月後の平成19年11月30日に全線の復旧工事が完了した。
 別所岳SAは、復旧工事の土砂採取場として利用したが、震災からの「創造的な復興」のメモリアル広場として再整備され、平成22年4月に完成した。

3 千里浜再生プロジェクト
……………………………………………………………………………………………………………羽咋市千里浜町
 千里浜海岸(千里浜なぎさドライブウェイ)は、全国でも唯一、世界でも3箇所しかない一般車両で走行できる砂浜海岸として、石川県の貴重な観光資源である。しかしながら、ここ20年間、海岸全体で年間平均約1mの海岸線の後退が確認されており、その保全は極めて重要な課題となっている。
 千里浜海岸の侵食対策については、養浜工事に加えて、平成20年度より人工リーフの設置を行ってきたところである。さらに、新たに金沢港の浚渫土砂を海上投入し漂砂によって千里浜に砂を供給するシステムを検討するとともに、貴重な砂浜を保全する県民意識の向上を目的としたソフト施策を推進するため、学識経験者、地元及び行政関係者等による「千里浜再生プロジェクト委員会」を設立し検討を進めている。

4 金沢城公園整備事業
………………………………………………………………………………………………………………金沢市丸の内
 金沢城の貴重な歴史的文化遺産を後世に継承し、兼六園と並ぶ県都金沢のシンボル公園として、また、石川県の歴史・文化・伝統を継承する「象徴」として、本県が誇る豊かな文化土壌に一層の厚みを加えるとともに、交流人口の拡大と都心地区の魅力向上を図る都市公園として整備を進めている。
 金沢大学跡地を取得後、公園としての基盤整備が平成16年度で終了。北陸新幹線の開業を見据え、平成18年に取りまとめた整備計画に基づき、史実性や整備効果の高いものから、順次整備に取りかかり、平成22年4月に「河北門」と「いもり堀」が完成した。引き続き「橋爪門」の復元と旧体育館跡地の「玉泉院丸庭園」の調査計画と暫定整備に取り組んでいる。
〔整備計画の概要〕
 建造物:金沢城三御門の整備(「河北門」「橋爪門(二の門)」の復元、「石川門」の保存修理)
 堀  :「いもり堀」の段階復元
 石 垣:修築等の保存対策、「石垣回廊」の整備
 庭 園:県体育館跡地の「玉泉院丸跡」の調査計画・暫定整備