■第543回建設技術講習会(アセットマネジメントと公物管理の課題)〜現場研修事業の概要


第543回建設技術講習会 現場研修事業の概要

1 国道289号甲子道路建設事業
……………………………………………………………………………福島県南会津郡下郷町〜西白河郡西郷村
 一般国道289号は、新潟県新潟市を起点とし、福島県いわき市に至る総延長約300kmの道路です。そのうち、福島県南会津郡下郷町から西白河郡西郷村の間は、険しい甲子峠に阻まれ、交通不能区間となっており、大きく迂回を強いられておりました。
 このため、福島県では、昭和50年度から延長約23kmの「甲子道路」整備を進めてまいりました。また、甲子山を貫通する長いトンネルや橋梁が必要な地形の険しい工区(L≒5.9km)は、平成7年度から国土交通省が整備を進めてまいりました。
 この甲子道路は、平成20年9月21日(日)に開通し、通行不能区間が解消します。
 なお、この地域は自然豊かな日光国立公園の甲子地区に位置し、様々な生物が数多く生息しています。このため、地域の自然環境になじんだ道路(エコロード)として整備しています。

2 まちづくり交付金事業参道整備(町道資料館線)ほか
  (史跡慧日寺跡総合整備活用推進事業)
…………………………………………………………………………………………………福島県耶麻郡磐梯町
 現在、わが国では国指定史跡に名を連ねる寺院跡がおよそ200ヶ所にも上っていますが、その中において、中心建物の復元整備としては慧日寺金堂が全国初の事例となります。復元にあたっては、発掘調査の成果をもとに、現存する建物や遺構を参考にして設計を行いました。そして、同時代建築に前例のない寺院金堂の復元という点においては、まさに日本古代寺院建築史の空隙を補う建造物として大いに期待される事例となっています。
 この慧日寺復元に伴い、周辺の町道の改良も「まちづくり交付金事業」として一体的に実施しています。

3 あぶくま高原道路建設事業
………………………………………………………………………………福島県西白河郡矢吹町〜田村郡小野町
 あぶくま高原道路は、西白河郡矢吹町から阿武隈地域のほぼ中央にある田村郡小野町に至る、延長約36kmの自動車専用道路です。
 この道路は、「東北自動車道矢吹IC」と「福島空港」及び「磐越自動車道小野IC」とを結ぶ交通ネットワークを形づくることにより、県内の中通り地方と浜通り地方とを結ぶ交通網の強化による地域間の連携交流の促進、開発ポテンシャルの高い阿武隈地域の発展の支援、県南地方・浜通り地方はもとより栃木県をはじめとする北関東地方からの福島空港のアクセス向上、災害時の代替路線確保や救急医療体制の支援による住民福祉の増進への寄与など、限りない可能性を秘めた道路です。



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