■第500回建設技術講習会(これからの公共事業のあり方)〜現場研修の概要


第500回建設技術講習会 現場研修事業の概要について

1 国際博覧会アクセス整備(東部丘陵線)…………………………………………豊田市長久手町
 名古屋市都心部から10〜20kmに位置する東部丘陵地域においては、日本国際博覧会「愛・地球博」が開催されているが、この地域は、「あいち学術研究開発ゾーン」の中核的な存在として、学術研究開発の拠点を始め、居住・文化・レクリエーション機能の充実など総合的な整備を進めているところです。
 また、幹線道路の慢性的な交通渋滞や、地域整備に伴う将来の交通需要に対し骨格的な交通網の整備が必要とされており、第二東名高速道路、東海環状自動車道及び名古屋環状2号線等の高規格幹線道路が整備される中、愛知県では名古屋圏の自動車専用道路網を形成する名古屋瀬戸道路、骨格的な公共交通体系を形成する新交通システムの東部丘陵線等の整備を進めました。これらは、日本国際博覧会「愛・地球博」会場への輸送手段としても、有効に活用されています。
 本現場研修ではそのうち、東部丘陵線(Linimo)について、公園西駅付近で説明を行います。
 東部丘陵線の一番の特徴である導入システムは、“磁力により車体を浮かせ、リニアモーターにより推進する”「磁気浮上式システム」を採用しています。このシステムとしてはわが国初の実用化路線であり、本路線は愛知万博「愛・地球博」の中心的な観客輸送手段の一つとして、国内はもとより世界中の多くの方に、本システムの先進性に触れてもらえるよい機会になるものと考えています。

2 愛知青少年公園整備事業〜日本庭園・林床花園・親林楽園〜…………………………長久手町
 愛知青少年公園は、昭和45年の開園以来、青少年の健全育成はもとより、気軽に利用できるレクリエーションの場として幅広く県民に親しまれてきました。そうした中、「自然の叡智」をテーマに、2005年日本国際博覧会(愛知万博、愛・地球博)が本公園で開催されることから、これを契機に愛知県では、新世紀にふさわしい公園として整備を行うこととなりました。整備にあたっては、平成14年度から平成18年度までの5カ年を第1期事業の施行期間としております。
 博覧会開催に先立ち、博覧会会場計画と合致する「もりのゾーン(森林体感ゾーン)」の「日本庭園」などの整備を行いましたが、これらは愛知万博においては、豊かな緑の中に身を置き、21世紀における人と自然との新たな関係を体感する場となるものです。
 本現場研修では主に、公園全体のテーマの一つでありますユニバーサルデザインを導入した園路・広場の整備などについて説明を行います。
 「林床花園」では、樹林地内の林床部や林縁部に花木や草花の自生を促し、四季折々の樹林地風景を楽しめる空間づくりを行っています。車椅子でも鑑賞可能となるユニバーサルデザインを導入した整備を行い、多くの方々が楽しめる整備を行っています。
 「日本庭園」では、かえで池・めだか池周辺において、現況の地形を活かした本公園のシンボルとなるような魅力ある庭園空間を創造しています。ここでは、人間と自然とのかかわりや、自然そのものについて感じることのできる演出を行い、自然を介した人と人との交流空間、もてなしの場、自然観賞の場としています。
 「森林楽園」では、樹林地内を中心に散策や観察、体験学習を通じて楽しみながら身近な自然にふれあう場となる空間づくりを行っています。地形や植生を活かした、環境教育プログラムの実践の場として整備を行っており、園路については、林床花園と同様にユニバーサルデザインを導入しています。
 
 その他、会場内では、21世紀の社会資本を考える実行委員会(国土交通省中部地方整備局・日本土木工業協会)により、水のループ(水循環)や、「みんなの国づくりと、なるほど土木」を出展しています。


BACK