■第477回建設技術講習会(道路行政の課題、港湾・漁港行政の課題)〜現場研修の概要


第477回建設技術講習会「現場研修主な立ち寄り先の概要」

1.道央自動車道 有珠山噴火災害復旧事業……………虻田郡虻田町
 平成12年の有珠山噴火活動に伴う地殻変動により、道央自動車道では噴火口から約700m離れた虻田洞爺湖IC付近で、 8mの水平移動と6mの隆起が観測され、トンネルや橋梁は多大な被害を受け、舗装路面、建物や道路情報板にも飛来した噴石による損壊があった。臨時火山情報が発表されてから、24時間体制で緊急点検、情報提供、関係機関と連携した情報 収集、有珠山監視体制への協力、連絡調整を行った。地殻変動の影響を受けていることから、目視点検のほか、測量による線形の変状の把握、橋梁の杭のボーリング調査による損傷の把握、橋梁載荷試験による健全度の把握、切土のり面の傾斜計等による変状の把握、トンネル内覆工コンクリートや舗装の取り壊しによる支保工やインバートの損傷の把握などを行い、構造物ごとに復旧工法を検討した。復旧工事には、橋台やトンネル覆工を再施工する工事もあったが、厳冬期においても昼夜連続作業により進められ平成13年6月30日に全線の復旧工事が完成した。この道央自動車道の復旧工事完成は洞爺湖温泉街を始めとした被災地域の復興に大きく寄与している。
(平成13年度全建賞 日本道路公団)

2.板谷川災害関連緊急砂防工事・西山川災害復旧工事……………虻田郡虻田町
 噴火災害の中で板谷川では、泥流による土砂災害防止が、西山川では泥流により発生した被害の拡大防止及び早期復旧が 緊急課題とされた。しかし、火口を中心にした広い範囲が火山活動に伴う避難指示地区であり、立入禁止であったため、有人による有効な対策工事が実施不可能であった。
 このため無人化施工により工事を実施した。これにより板谷川における4万m3 の遊砂地工事、流出したコンクリート橋梁の破壊、除去、流路工内2万m3 の堆積物掘削・搬出を可能にした。
(平成12年度全建賞 北海道室蘭土木現業所)

3.小樽港湾整備事業……………小樽市築港2−2
1. 多様化、高度化により増大する物流需要に対応するため、既存埠頭の再開発による港湾施設の機能更新を図る。
2. 交流拠点を形成するため、対岸諸国等との国際交流の進展に対応した旅客埠頭機能の確保を図る。
3. 海洋性レクリエーション需要に応じ、マリーナ施設の拡充や周辺環境と調和した緑地等の親水機能の確保を図る。
4. 大規模地震災害時の緊急避難、緊急物資輸送の対策を進めるとともに、震災時における経済活動を支える物流の確保を図る。
5. 港湾と背後地域との連絡を図るとともに、港湾内の円滑な交通を確保するため、臨港交通体系を充実強化する。
(国土交通省北海道開発局 小樽開発建設部 小樽港湾建設事務所)

4.滝野すずらん丘陵公園……………札幌市南区滝野247番地
 滝野すずらん丘陵公園は、その規模が広域的見地から、国営公園として位置づけられており、都市公園法に基づき整備される全国有数の公園である。国営公園としては北海道唯一、全国的にも最北に位置する公園で、札幌市街から南へ18km、車で約30分ほどの札幌市南区滝野地区にあり、美しい「すずらん」が咲き乱れる丘陵地からその名がつけられた。
(国土交通省北海道開発局 札幌開発建設局 国営滝野すずらん丘陵公園事務所)


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