■第476回建設技術講習会(これからの建設事業) | 〜現場研修の概要 |
1.青葉山公園仙台城石垣修復工事……………仙台市青葉区川内 仙台城本丸は、仙台初代藩主伊達政宗が慶長5年(1600年)に築城を開始し、慶長7年(1602年)に一応の完成をみたと言われている。現存する石垣は築城後2度の大地震の被害を受け寛文8年(1668年)以降に作られた3代目の石垣と言われている。そのため老朽化が進み石垣の変形や石材の破損が目立つようになってきた。本修復工事は石垣全体を解体・積み直しにより修復することとした。全体石積10,000個のうち平成15年3月末現在で4,000個が完了している。 石垣修復工事にあたっては、できるだけ築城期の石垣の姿の復元を目指しており、そのために往時の伝統工法を活かしながら専門の石工職人の手により1石1石慎重に積み上げ、かつ将来にわたる石垣全体の安全性確保にも配慮しながら進めている。 |
2.吉田川二線堤工事……………宮城県志田郡鹿島台町 昭和61年8月の大洪水での被害を教訓として、地域が大洪水に陥っても被害を最小限にとどめられるような枠組みを求めるため、国土交通省では昭和63年に鹿島台町・大郷町・松島町の被災地域を全国初のモデル地区に指定し、「水害に強いまちづくりモデル事業」をスタートした。 二線堤は、万一洪水で河川が氾濫した場合、氾濫水による被害を最小限にとどめるためにつくられる第二の堤防であり、救援や復旧活動等のための通路でもある。二線堤は道路機能も兼ねられることから、市街地の交通渋滞解消として計画されていた国道346号鹿島台バイパスとの兼用道路として計画され、河川管理者(国)と道路管理者(県)が共同で事業を行う。 進捗状況については、バイパス区間の二線堤4,120mの盛土を施工しており、圧密促進中である。また、北側国道346号二線堤バイパスの0.4km区間が平成14年11月に部分供用を開始している。 |
3.仙台空港アクセス鉄道……………名取市下増田 仙台空港へのアクセスは、車に依る方法しかなくその所要時間は仙台市内から通常で40分である。 仙台空港線整備計画は空港までのアクセス手段として、定時性、速達性、広域性に優れ、かつ大量輸送が可能な鉄軌道系アクセスを整備することにより、空港利用者の利便性の向上と東日本の拠点空港としての仙台空港の充実を図るとともに、仙台空港臨空都市整備の促進に寄与するために計画された。 新線区間はJR東北線名取駅から仙台空港駅(仮称)の約7.1km(営業キロ)で、JR東日本との相互乗り入れを予定している。完成すればJR仙台駅からの所要時間は快速で17分となり現在の車利用の場合に比較すると23分の短縮効果となる。しかも渋滞などに左右されない確実な時間内でのアクセスを可能とするため、仙台空港の利用も拡大される見込みである。現在は直轄事業で仙台空港敷地内本体工着手前の仮設工事を施工中である。 同時に進行している仙台空港臨空都市整備基本計画は仙台空港の地域拠点空港としての位置づけを活かし、アクセス鉄道や道路整備を契機とした名取市、岩沼市の都市整備ニーズや、地域の自然環境等との融合した、臨空都市としての調和ある地域整備を目指している。 |
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